【初心者でも安心】剪定バサミの選び方・かんたん手入れ、おすすめ品紹介

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園芸用バサミの中で、背丈の低い樹木の枝や花の茎を切る時に使うのが剪定バサミです。剪定バサミが1本あると観葉植物やお庭の気になるところを手軽にメンテナンスできて重宝しますし、植物にとっては不要に伸びた枝や茎・葉を切ることで根への負担を減らすことができます。

剪定バサミとひとことで言っても、多くのサイズや材質・性能がありプロ仕様から初心者向けのものまでさまざまな剪定バサミが販売されています。どんなものが自分に合うのか迷いますよね。

この記事では、剪定バサミの購入を考えてある方や今使っている剪定バサミに使いにくさを感じている方、お手入れの方法が知りたい方にむけて、剪定バサミの種類・オススメの商品・お手入れの方法・売っているお店などをご紹介します。

剪定バサミは使う人の手のサイズや利き手、使う用途に合ったものを選ぶと剪定作業がラクに楽しく行えます。ぜひ参考になさってください。

目次

剪定バサミの選び方①種類で考える

剪定バサミのサイズ

『使う人の手のひら大』の長さの剪定バサミが使いやすいです。手よりも大きい剪定バサミだと、ハンドル部分の幅も広くなるので握力を十分に発揮できず太い枝を切りにくくなります。手よりも小さな剪定バサミだと、握り込む際に指が邪魔になり上手く切ることができません。

オススメは自分の手のひら大かやや大きめを選ぶことです。手のサイズは、手首についている一番上の横しわから中指の先端までの長さを参考にしてください。日本人の手のサイズの平均は男性:18.3cm女性16.9cmです。
(データ引用:河内まき子2012:AIST日本人の手の寸法データより)

剪定バサミの刃のタイプ

剪定バサミで代表的な3種類の刃のタイプをご紹介します。
・バイパス式
・アンビル式
・ラチェット式

「バイパス式」

仕上がりが美しく、剪定による植物へのダメージを抑えたい人向けです。半月型の切り刃に三日月型の受け刃がある一般的な剪定バサミ。切断する枝の上下から滑りながら刃が食い込むことで、美しい切り口に仕上がります。バラ・低木・挿し穂などのカットや、果樹などの生きた枝の剪定に向いています。普段使い用の剪定バサミとしてオススメです。

バイパス式のデメリット
①刃の形状上、右利き用と左利き用があること。左利き用の剪定バサミは店頭での取り扱いが少ない点です。対策としては、利き手の区別なく使用できる両刃タイプのバイパス式剪定バサミも高価ですがあります。
②刃の厚みがあるので抵抗を受けやすく、枝の切断にやや力が必要な点です。こちらの対策としては、手に負担をかけないためにも、握りやすいサイズの剪定バサミを選びましょう。

「アンビル式」

枝をまっすぐに切りたい人はアンビル式の剪定バサミがオススメです。受け側が台のようになっていて、アンビルとは金床(かなとこ)という意味です。刃を包丁のように台に向かって落とし、枝を切断します。

メリットは切り刃が薄く受け刃が平らなので切断時に枝がずれにくく、太い枝がカットできることや硬い梅の枝から枯れ木まで切ることができる点です。刃をすり合わせない構造なので、利き手に関係なく左右兼用で使うことができます。替え刃式のモデルが多く販売されています。

デメリットは、アンビル式は数千円以上する高価な剪定バサミが多いことです。替え刃非対応の商品は1,000円以下でもありますが、両刃で研ぐのが難しいので購入の際にはご自分の用途や使用頻度も考えて購入されると良いでしょう。

「ラチェット式」

少ない力で切れるため、握力が弱い人にオススメです。太い枝でも数回に分けて刃が食い込むので、少ない力で枝を切ることができます。ジャッキに採用されているラチェット機構が使われていて、テコの原理で効率よく刃が進みます。

ラチェット式の剪定バサミは、切っている最中のハンドルの開き加減に慣れが必要なことや、普通の剪定バサミより耐久性が劣ること、刃やフレームは丈夫な商品が多いが、構造上ラチェット部がやや弱く取り扱いに注意が必要なこと、歯車の動きで少しずつ刃を進める仕様のため、太い枝を切るのに少し時間がかかるなどのデメリットもあります。

そのほかにも、剪定バサミには枝キャッチタイプや太枝切りバサミもあります。

剪定バサミの刃の素材

刃の素材
・炭素鋼
・ステンレス鋼
・高炭素ステンレス鋼
・ハイブリット刃
・チタンコーティング
など

少ないお手入れで済ませるならば、錆びや汚れに強い材質を選びましょう。PVCコーティングの刃は摩擦を軽減でき、切れ味と防汚性が高いです。また、コーティングの剥げの心配が少ないチタンやステンレス製のモデルの剪定バサミはお手入れをすれば修理や研ぎを行わなくても長く使えます。

替え刃タイプも便利

切り刃と受け刃で構成されている剪定バサミは、研ぎが難しく自分で研ぐのは大変です。最近はハサミ研ぎを受け付けてくれるところも少なくなっているので、替え刃式の剪定バサミも多く販売されています。

プロ仕様の剪定バサミや電動剪定バサミ、それと、アンビル式やラチェット式の商品で替え刃式の商品があります。アンビル式の剪定バサミでは高価格帯の商品に替え刃式があります。

アンビル式は切り刃が薄い特徴があります。高頻度で長く使っていると刃こぼれしやすくなりますが、両刃式のため素人が研ぐのは難しく替え刃で対応される方が多いようです。

ラチェット式や電動剪定バサミは、太い枝を楽に切ることができますが、太い枝の切断は刃への負担が大きいです。切れ味が悪くなってしまうと刃を替える必要性が高くなります。

替え刃式の剪定バサミは、商品名に『替刃式』と書いてあるものが多いので、購入の際にご自分の用途や使用頻度に合わせて検討されてくださいね。

剪定バサミ、グリップの形状

グリップの手に触れる部分に溝があって滑りにくくなっているものや指挟み防止のため、グリップに大きく段がついているものなどがあります。回転式グリップを採用している剪定バサミは手首の負担が軽く、握り込むと回転するので手への負担が少なく長時間の作業でも疲れにくい特長があります。

剪定バサミのバネの種類

・コイル式バネ
現在の剪定バサミの主流。枝の切断時の衝撃を吸収して握った感触が柔らかく、手の負担減になる。

・V字型バネ
跳ね返りがあり、ベテランの造園屋さんはV字型バネの「パチンパチン」という打ち合い音に愛着があって使い続けているひともいる。

おすすめの剪定バサミメーカー

店頭やショッピングサイトではいろいろなメーカーの製品が販売されています。その中でも園芸用品の有名メーカーごとの特徴とおすすめの剪定バサミをお伝えします。

岡恒(おかつね)

剪定鋏 No101,No103,No104

おすすめしたい人:コスパの良さを重視したい人
安くて性能がよく長く使える剪定バサミを求めている人向けです。量産品ながら高品質な商品が多く、ホームセンターなどでも取り扱いがあるので、店舗で実物を見ながら商品を選べる。岡恒の製品の中で、刃が研ぎやすい材質を採用していてメンテナンスしながら長く使えるモデルもあります。レザーケースや交換用ばねなどのアクセサリー類も豊富です。

【アルスコーポレーション】

おすすめしたい人:スッときれいに切れるハサミが欲しい人
老舗刃物メーカーとしてのノウハウを活かした切れ味のよさで、プロの農家さんや海外でも愛用されています。

ミニチョキ130DX
小型で細めのグリップのため、手が小さい女性でも楽に使える剪定バサミです。刃の開き幅が2段階調節が可能で、調節ピンを開けば太めの枝を切ることができます。持ち手が柔らかい素材を採用しているので、長時間使っても手が疲れにくいのもポイント。価格も手ごろで切れ味や使い勝手がよく、ガーデニング初心者さんや幅広くさまざまな植物の剪定を行いたい方にオススメです。

アンビル剪定鋏ブイエーセブン
アンビル剪定鋏ブイエーエイト

アンビル式の剪定バサミで、太い枝もしっかり切断できます。2段階式安全ストッパー機能が搭載され、けがの心配が少ないので初心者の方にもおすすめのアンビル式剪定バサミ。利き手に関係なく使えるのも嬉しいポイントですね。

【角利(かくり)】

大工道具のメーカーとしてのノウハウから生まれたオシャレで実用的なデザインの商品ラインナップ。格も手ごろで試しやすいです。

ガーデニングプロアルミ剪定鋏
鋭い切れ味で、きれいな切り口が特長の剪定バサミです。バラや生け花など細めの茎や枝をきれいに剪定したいときにオススメの一品。刃部がアルミでできており、錆びにくいので水洗いがしやすく、病気に弱いバラにも安心して使える製品です。製品自体、軽量のため、長時間のお手入れでも疲れにくい仕様になっています。

【千吉(せんきち)】

ラチェット式剪定鋏SCP-22R
こだわりの感じられる日用品を多く制作している千吉の剪定バサミです。てこの原理を応用したラチェット機能を搭載することで従来の剪定バサミでは切断することができない太い枝も従来の剪定バサミの1/3の力で切断することができます。男女問わず小さな力で太い枝を剪定できる人気の製品。頻繁に庭木整備をされる方やラチェット機能を手軽に体験してみたい方にオススメの製品です。

【サボテン】

園芸用品メーカーが開発販売しているブランドです。

レディース剪定鋏
刃はフッ素コートで錆び・ヤニに強く、軽い切れ味が特長です。小さめで女性でも持ちやすく、軽い力でもよく切れると口コミの良い商品です。

剪定バサミの手入れ

普段の手入れ

剪定バサミで枝を切ると、刃には必ず樹液や泥がついてしまいます。この樹液=ヤニ・シブの汚れが付いたままだと剪定バサミの切れ味が悪くなり、切断した枝の断面が粗くなり木への負担にもなってしまいます。使用していて「開きにくくなった」「切れ味が悪くなった」と感じるときは刃の部分の掃除が必要な状態です。

ふみうさぎ

対策:剪定バサミの使用後は必ず汚れを拭き取るようにしましょう。

普段のお手入れは剪定が終わったら、流水で刃に付いたヤニや汚れを落とすこと。刃がきれいになったら、乾いたタオルで水分を拭き取り乾かしましょう。固まってしまったヤニやシブ汚れには、80℃くらいのお湯につけて汚れを浮かせ、歯ブラシを使って汚れを落としたり刃物クリーナーを使用してお掃除をしましょう。

最近の剪定バサミはお手入れがしやすいように錆びや汚れに強い材質のものが採用されています。剪定バサミで最もポピュラーな素材は刃物鋼ですが、錆びやヤニが付着しにくいアルミやチタン、ステンレスなどの素材を使用しているものも増えています。また、PVCコーティングやフッ素コーティングがされているものなどは使用後に軽く汚れを拭き取ることできれいな状態が長持ちします。

こまめなお手入れをすることで、使用頻度によりますが10年以上使い続けることができる商品が増えています。

汚れがひどい時の手入れ

【汚れがひどいときは刃物用クリーナーを使う】ホームセンターなどで園芸用バサミにも使える刃物クリーナーが購入できます。剪定で刃に付着したヤニやシブを強力に分解して落としてくれるので、黒いヤニ汚れが熱湯を使ったお手入れでも落ちない場合は刃物用クリーナーを使ってお手入れをしましょう。

【切れ味が悪くなったら砥石やシャープナーで刃を研ぐ】
切れ味が悪くなった場合は砥石やシャープナーを使う事で切れ味が回復します。砥石やシャープナーを使う前に、ご使用中の剪定バサミのコーティングの有無を確認しましょう。PVCやフッ素でコーティングされている刃は、研いでしまうとコーティングごと削り取られるので防錆・防汚効果が失われてしまいます。

錆びた時やその他メンテナンス

ふみうさぎ

錆びた時は錆び落とし材を使って刃部のメンテナンスをしましょう。

【刃部に問題がなく、動きが重い時はすり合わせと軸の部分に油をつけましょう。】
油をつけるのは作業前が良いです。油の種類はスピンドル油(自転車用やミシン用などでもよい)がオススメですが、刃物用椿油、食用油でも代用ができます。

【止め軸のゆるみのチェックも】剪定バサミのお手入れをこまめに行うことで気に入った製品を長く使うことができます。

剪定バサミのケース

庭木の剪定作業などを行うとき、剪定バサミのケースがあると便利です。実際に作業していて、枝を抱えたい時や果樹を運びたい時にハサミを収納できるケースがあると便利。剪定バサミのケースを使う理由は、主に以下の5点が挙げられます。

剪定バサミのケースを使うメリット
・安全保持
・持ち運びの便利さ
・刃の保護
・整理整頓
・耐久性の向上

剪定バサミのケース①安全保持

ケースは刃を保護し、剪定バサミを使う人と周囲の安全のために必要です。剪定バサミは鋭利な刃を持つので取り扱いに注意が必要ですよね。ケースがないと誤って手傷を負うことになったり足に落としてしまう危険性もあります。また、周辺の樹木や物品など他の物を傷つけたりする可能性があるので使用時以外はサッと収納できるケースは安全のためには欠かせません。

剪定バサミのケース②持ち運びの便利さ

庭や畑などで作業する場合、ベルトに取り付けたりショルダータイプの肩からつるして保管できるケースもあります。両手が空くので作業がしやすくなります。

剪定バサミのケース③刃の保護

ケースに収納することで剪定バサミの刃を保護し、切れ味を長持ちさせることができます。

剪定バサミのケース④整理整頓

ケースがあることで作業場や収納スペースが整理され、剪定バサミが他の道具と混ざらない利点があります。また、必要な時に剪定バサミをすぐに見つけることができます。

剪定バサミのケース⑤耐久性の向上

ケースに入れて保管することで剪定バサミを外部環境から守り、劣化を防ぐのに役立ちます。湿気や錆びから保護されることで剪定バサミの寿命が延びます。ケースの材質は、牛革製のケースが多く販売されています。

園芸用ハサミのケースが革製のものが多い理由は、革は丈夫で擦れや傷に強く柔らかいので収納したハサミにフィットすること。革製のケースはハサミがケース内で動いたり傷ついたりするのを防いでくれます。また、通気性があり湿気を逃がすことができるのでハサミが湿気にさらされるのを防ぎ、錆びや腐食から保護してくれる点があります。

高級感があり美しい外観をしていることや革製のケースは耐久性があり長く使うことで独自の風合いが出てくるなど職人ゴコロをくすぐる点も革製のケースが多くの人に選ばれている理由とも言えます。

そのほかの材質では、高性能のナイロン素材やシリコン製・プラスチック・ポリプロピレン製・デニムなどの布製の剪定バサミケースなどもあります。ナイロンや布製のものは撥水加工がほどこしてある製品が多いです。

剪定バサミの中にも専用ケースが付いて販売されているものもあります。ケース選びが手間に感じる方は剪定バサミを購入するときにケース付きのものを選ばれるのもよいかもしれませんね。

近正|剪定鋏 ケース付き

剪定バサミを売っている店

剪定バサミを購入する前に、自分が剪定したい植物やハサミにかける予算に合わせて選ぶことが大切です。ブランドやモデルによって特長や性能が異なるので、製品の仕様やレビュー・口コミなどを確認してから購入するとよいでしょう。実店舗・オンラインショップそれぞれ良さがありますので、ご自分がどんなものが欲しいのかに合わせて購入するお店も選ばれるとよいでしょう。

ホームセンター

園芸コーナーに剪定バサミが多く取りそろえられています。さまざまな種類やブランドの剪定バサミがあるので、サイズ感や刃の材質などご自分の用途に合ったものを選ぶことができます。また、大型店であればハサミ用のケースや取り換え用の部品も展示販売されているので合わせて購入できるのも嬉しい点ですね。

オンラインショップ

Amazonや楽天市場などのECモールやガーデニング専門のwebサイトなど。商品レビューや評価を参考にしながら商品を選べるので、剪定バサミのサイズが決まっている方にはオススメの購入方法です。左利き用の剪定バサミも実店舗と比べ豊富に取り扱いがあるのも嬉しい点です。

お花好きさん

自分で選べるならオンラインショップが商品が豊富だし、ネットで取引が完結するから楽だよね。

園芸専門店

地元の園芸専門店も、園芸用ハサミの取り扱いがあります。専門店の良いところはスタッフさんにアドバイスをもらいながらハサミを選ぶことができる点です。剪定バサミの使用目的などを話しながら目的に合った商品を紹介してもらうことができます。

ダイソーやセリアなどの100円ショップ

セリアには剪定バサミの展示販売がありました。ダイソー・キャンドゥでは剪定バサミの取り扱いはないようです。100円ショップの商品はちょっとした気になるところだけを整えたいときなどには助かりますね。

剪定バサミの選び方まとめ

この記事では剪定バサミを選ぶときにポイントについてお伝えしました。ご自分の手に合う剪定バサミがあると、お庭のちょっとした手入れやガーデニングを気軽に行えるので、作業が楽しくなります。また、最近はお手入れが簡単で刃を研ぐ必要がない高機能の素材が多く販売されているのも嬉しい点です。ご自分の使用目的やご紹介した剪定バサミの機能や特長を参考に、ご希望の剪定バサミを選んでくださいね。

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